自己炎症性疾患

Autoinflammatory diseases

　自己炎症性疾患は繰り返す全身性の炎症をきたす疾患で，遺伝子変異によりコードするタンパクに異常を生じ，主に自然免疫の変調でサイトカイン産生が亢進する疾患である．外国の疾患と考えられていたが，わが国における症例報告や疫学調査などから，臨床家にもかなり認知されてきた疾患である．近年，毎年のように疾患遺伝子が同定され，新しい自己炎症性疾患が報告されているが，病態により大きくインフラマソームパチー（inflammasomopathies），インターフェロノパチー（interferonopathies），レロパチー（relopathies）の3つに分類される．自己炎症性疾患では，血清中に多くの炎症性サイトカインが検出され，治療は抗サイトカイン療法が中心となる．そのなかでも抗IL-1製剤の効果は，ほかの炎症性疾患と比較しても絶大である．