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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
疾患と細胞死
メタボリックシンドロームと細胞死
Role of obesity-induced cell death in pathophysiology of the metabolic syndrome
吉岡 直輝
1,2,3
,
田中 都
1
,
菅波 孝祥
1
Naoki YOSHIOKA
1,2,3
,
Miyako TANAKA
1
,
Takayoshi SUGANAMI
1
1名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野
2同大学院医学系研究科消化器内科学
3日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院消化器内科
キーワード:
慢性炎症
,
メタボリックシンドローム
,
肥満
,
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
マクロファージ
Keyword:
慢性炎症
,
メタボリックシンドローム
,
肥満
,
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
,
マクロファージ
pp.488-493
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305488
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メタボリックシンドロームでは,脂肪組織や肝臓などの代謝臓器に過剰な脂質が蓄積して慢性炎症が惹起され,最終的には線維化をきたして臓器機能障害に至る.このとき,脂肪組織と肝臓に共通の分子メカニズムとして,死細胞を核としてマクロファージが集積するユニークな微小環境(CLS)が形成される.CLSは,細胞死に陥った実質細胞をマクロファージが取り囲み,貪食・処理しようとする組織像であり,炎症遷延化や組織線維化の起点となる.すなわち,CLSは実質細胞と間質細胞の相互作用の場であり,代謝性組織リモデリングの駆動エンジンとして働く.CLSに注目することにより,メタボリックシンドロームの病態メカニズムの解明や新しい治療法の開発が可能になると期待される.
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