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第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
アポトーシスと非アポトーシス細胞死
ミトコンドリアを経由するアポトーシス
Mitochondrial pathway of apoptosis
小西 昭充
1
Akimitsu KONISHI
1
1群馬大学大学院医学系研究科生化学
キーワード:
ミトコンドリア外膜透過性亢進
,
Bcl-2ファミリータンパク質
,
シトクロムc
,
Apaf-1
,
BH3-mimetic薬
Keyword:
ミトコンドリア外膜透過性亢進
,
Bcl-2ファミリータンパク質
,
シトクロムc
,
Apaf-1
,
BH3-mimetic薬
pp.317-321
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305317
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ミトコンドリアはATP合成を行う細胞の生存に必須の細胞内小器官であるが,同時に,細胞死(アポトーシス)の実行にも決定的な役割を果たしている.細胞がアポトーシス刺激を受けた場合,ミトコンドリア外膜の膜透過性が亢進して膜間腔からシトクロムcをはじめとする種々のタンパク質が細胞質に漏出する.これらの漏出したタンパク質はカスパーゼの活性化を促進し,最終的にアポトーシスが実行される.Bcl-2ファミリータンパク質は,このミトコンドリア外膜透過性の制御に大きな役割を果たしている.これまでの精力的な研究の結果,ミトコンドリアを経由するアポトーシス経路の分子機構について,その大筋が明らかとなってきた.現在,これらの知見を活用した分子標的薬の開発が進められており,がんをはじめとして神経変性疾患から老化まで幅広い疾病に対しての展開が期待されている.
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