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第1土曜特集 間質性肺疾患の研究と診療UPDATE
研究
新規動物モデルを用いた肺線維症の発症機構の解明
Animal models of pulmonary fibrosis
大塚 邦紘
1,2,3
,
安友 康二
1,2
Kunihiro OTSUKA
1,2,3
,
Koji YASUTOMO
1,2
1徳島大学大学院医歯薬学研究部生体防御医学分野
2同ポストLEDフォトニクス研究所医光融合研究部門
3同病院口腔外科
キーワード:
家族性間質性肺炎(FIP)
,
Ⅱ型肺胞上皮細胞(AEC2)
,
肺サーファクタント
,
ネクロプトーシス
Keyword:
家族性間質性肺炎(FIP)
,
Ⅱ型肺胞上皮細胞(AEC2)
,
肺サーファクタント
,
ネクロプトーシス
pp.41-46
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2830141
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特発性肺線維症(IPF)は難治性疾患であり,その発症機序の解明は喫緊の課題である.家族性に発症し,IPFと同様の病態を呈する家族性間質性肺炎(FIP)患者の遺伝子解析はこれまで数多く行われており,複数の責任遺伝子が同定されている.それを基盤とした遺伝子改変マウスの解析から,Ⅱ型肺胞上皮細胞(AEC2)の細胞老化や細胞死がIPFの病態形成の一因となっている可能性が示唆されている.筆者らは,日本人のFIP家系の遺伝子解析からsurfactant protein(SFTP)A1のミスセンス変異を同定し,同様の変異を有する遺伝子改変マウス(Sftpa1-KIマウス)を樹立した.Sftpa1-KIマウスは肺線維症を自然発症し,さらなる解析からAEC2の肺サーファクタントの分泌不全による小胞体(ER)ストレスが生じ,それによりAEC2のネクロプトーシスが肺の線維化の引き金になっていることが示唆された.
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