Japanese
English
第5土曜特集 細胞死のすべて――そのメカニズムと,生命現象・疾患との関わり
さまざまな生命現象と細胞死
死細胞からのdanger-associated molecular patternsの放出機構
Mechanisms underlying the release of danger-associated molecular patterns from dying cells
中野 裕康
1
Hiroyasu NAKANO
1
1東邦大学医学部医学科生化学講座
キーワード:
Danger-associated molecular patterns(DAMPs)
,
細胞膜障害
,
ネクロプトーシス
,
イメージング
,
Live cell imaging for secretion activity(LCI-S)
Keyword:
Danger-associated molecular patterns(DAMPs)
,
細胞膜障害
,
ネクロプトーシス
,
イメージング
,
Live cell imaging for secretion activity(LCI-S)
pp.443-447
発行日 2022年10月29日
Published Date 2022/10/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28305443
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Danger-associated molecular patterns(DAMPs)は,細胞が危機的な状況に陥った時(つまり,細胞が死ぬ時)に細胞から放出される物質の総称である.DAMPsにはタンパク質だけではなく,核内のDNAやミトコンドリアDNA,ATPなども含まれる.DAMPsの多くは細胞外に放出され炎症などを惹起するが,生細胞内での機能という観点から,細胞内で特有の機能を有しているものと,細胞内にある時には何ら機能を発揮しておらず,細胞外に放出されてはじめて機能を発揮するものとに区別することができる.過去には,DAMPsの放出はいわゆるネクローシスに陥った死細胞から細胞膜の恒常性が失われた結果,受動的に放出されるものという考えが支配的であった.しかし最新の研究から,パイロトーシスやネクロプトーシスなどの細胞膜の崩壊で早期に生じる細胞死の実行因子が次々と同定され,それらの分子がDAMPs放出に積極的に関与していることが明らかにされた.
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