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特集 痒みはどこまでわかったか――痒み研究の最前線
痒みを伝える一次感覚神経の理解の現状
Updated understandings about itch-transmitting primary sensory neurons
岡田 峰陽
1
Takaharu OKADA
1
1国立研究開発法人理化学研究所生命医科学研究センター
キーワード:
痒み
,
一次感覚神経
,
一細胞トランスクリプトーム
,
サイトカイン
Keyword:
痒み
,
一次感覚神経
,
一細胞トランスクリプトーム
,
サイトカイン
pp.1110-1113
発行日 2022年9月24日
Published Date 2022/9/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282131110
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痒みとは一体何か,痒みは弱い痛みなのか,それとも独立した別の感覚なのか.この問題のすくなくとも一部は,痒みと痛みは同じ一次感覚神経が伝えるのか,それとも別々の一次感覚神経が伝えるのか,という問いに言い換えられる.近年,一細胞トランスクリプトーム解析から明らかになってきた一次感覚神経のサブセット分類と,この分類に基づいたサブセット選択的な操作による機能解析が行われ,マウスではこの問いに関してさまざまな知見が得られている.これらの知見から,痒み伝達に特化した一次感覚神経と,痒みと痛みを両方とも伝える一次感覚神経の存在が示唆されている.しかし,いくつかの知見ではさらなる精査が必要であり,またヒトにおいては可能な解析も限られていることから,いまだ全容の解明には程遠い.それでも,この分野の現在の発展速度はめざましく,今後の展開が注目される.
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