Japanese
English
特集 痒みはどこまでわかったか――痒み研究の最前線
はじめに
Introduction
本田 哲也
1
Tetsuya HONDA
1
1浜松医科大学皮膚科学講座
pp.1109-1109
発行日 2022年9月24日
Published Date 2022/9/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu282131109
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- Abstract 文献概要
“痒み” は皮膚だけに生じる,独特の感覚である.頭痛,腹痛,胸痛など,“痛み” の感覚は諸臓器に存在するが,脳が痒い,腸が痒い,心臓が痒い,とは言わない.そして痒みは,皮膚疾患患者にとって最もQOLに影響を与える症状のひとつである.痒みのためイライラして物事に集中できない,あるいは痒みのため睡眠が障害され寝不足となり,学業や仕事に支障のでる場合も多い.先日受診されたある患者の話であるが,痒みで寝られない日々が続いていたが忙しくて病院に行くことができず,ついに仕事中に居眠り運転をしてしまい,交通事故を起こしてしまったそうである.ちなみにこの患者の職業はトラック運転手とのことであり,幸い大事には至らなかったそうだが,いろいろな意味できわめて危険な話であった.
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