臨床講義
体性感覚と痒み
室田 浩之
1
Hiroyuki MUROTA
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科,皮膚病態学分野,教授
キーワード:
体性感覚
,
痒み
,
中枢神経
,
末梢神経
Keyword:
体性感覚
,
痒み
,
中枢神経
,
末梢神経
pp.435-443
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001885
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痒みは1660年に神経生理学者のSamuel Hafenreffer博士によって「掻きたい衝動を引き起こす不快な皮膚の感覚」と定義された。この不快な感覚は生体が外界からの危険を察知する信号として役立つ。さらに掻破行動を生じさせる感覚をすべて痒みと表現することから,痒みは一様ではなく多様である。さらに痒みは皮膚から生じるのみならず,中枢神経からも生じる。ありふれた症状でありながらその治療方法は限られており,日常診療で難渋する症例も少なくない。本稿では体性感覚の概説と,皮膚疾患における痒みのメカニズムに関する話題を紹介する。
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