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特集 計画的セレンディピティが医学・創薬を革新する!
細胞診の計画的セレンディピティ
Planned(designed)serendipity of cytology
杉山 裕子
1
Yuko SUGIYAMA
1
1がん研究会有明病院臨床病理センター細胞診断部
キーワード:
細胞診
,
デジタル画像
,
免疫細胞化学
,
分子細胞学
,
人工知能(AI)細胞診
Keyword:
細胞診
,
デジタル画像
,
免疫細胞化学
,
分子細胞学
,
人工知能(AI)細胞診
pp.813-816
発行日 2022年8月27日
Published Date 2022/8/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28209813
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細胞診は顕微鏡を用いて細胞を観察し,その形態から細胞の良性,悪性,腫瘍名などを推定する検査法である.顕微鏡を用いて形態を観察する時間のかかる主観的検査法であるため,客観性に基づいた効率的な精度向上が喫緊の課題で,まさにこの点において偶然の幸運な発見(セレンディピティ)が必要とされている.細胞診と類似した検査法である組織診の分野では,従来の顕微鏡を用いた形態学を中心とした判定から,デジタル画像を用いた人工知能(AI)補助下の判定に大きくパラダイムシフトが起きようとしている.また,免疫組織化学や分子病理診断から得られた情報により個別化診断や治療が可能になっている.本稿では,細胞診における精度管理上の問題点を説明し,組織診との違いを理解することで細胞診の分野でもデジタルイノベーション,免疫細胞化学,分子細胞学による偶然の幸運な発見(セレンディピティ)が計画的に行われる可能性に関して概説する.
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