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特集 計画的セレンディピティが医学・創薬を革新する!
敗血症治療の計画的セレンディピティ
Planned serendipity of sepsis therapy
小出 裕之
1
,
星野 友
2
Hiroyuki KOIDE
1
,
Yu HOSHINO
2
1静岡県立大学薬学部医薬生命化学教室
2九州大学大学院工学研究院応用化学科分子生命工学講座
キーワード:
敗血症
,
ヒストン
,
ナノ粒子
,
プラスチック抗体
,
炎症
Keyword:
敗血症
,
ヒストン
,
ナノ粒子
,
プラスチック抗体
,
炎症
pp.809-812
発行日 2022年8月27日
Published Date 2022/8/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28209809
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敗血症は,感染によって生じた全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)と定義されており1),その致死率は全世界で25~30%と高く2),敗血症性ショックに至っては40~50%に達するとされる.これは脳卒中や心筋梗塞より高いものであるが,いわゆる特効薬というものは存在しない.新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の重症化においても敗血症を併発することが明らかになっており3),集中治療領域では新薬開発の重要性が取り沙汰されている.近年,敗血症の誘導には壊死した細胞やアポトーシスしきれなかった細胞,あるいは好中球から炎症に応じて放出されるヒストンが密接に関与していることが報告された.本稿では,筆者らが開発している抗ヒストンプラスチック抗体による敗血症治療法の開発について解説する.
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