Japanese
English
第1土曜特集 五感を科学する――感覚器研究の最前線
総論
COVID-19と五感の障害
COVID-19 and the impact of the five senses
上羽 瑠美
1
Rumi UEHA
1
1東京大学摂食嚥下センター
キーワード:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
五感
,
聴覚
,
嗅覚
,
味覚
Keyword:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
,
五感
,
聴覚
,
嗅覚
,
味覚
pp.593-601
発行日 2022年8月6日
Published Date 2022/8/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28206593
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五感とは眼,耳,鼻,舌,皮膚を通じて外界を感知するための感覚機能である.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によりさまざまな臓器障害が報告されているが,感覚においても例外ではない.COVID-19による嗅覚障害(鼻)や味覚障害(舌)は一般的に広く知られているが,COVID-19による “眼” への影響として羞明,眼痛,結膜充血,視力変化などが,“耳” への影響として難聴,耳鳴り,めまいなどが生じうる.一方,触覚については,COVID-19の後遺症として,しびれやピリピリした痛みが生じうるようだが,現在のところCOVID-19と触覚への影響や臨床経過についてはあまり明らかになっていない.本稿ではCOVID-19による五感への影響に関して,既報や筆者の研究結果を交えて,臨床所見や感染機序,組織変化を中心に説明する.
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