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Journal of Clinical and Experimental Medicine Volume 282, Issue 6 （August 2022）

医学のあゆみ 282巻6号（2022年8月発行）

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第1土曜特集五感を科学する――感覚器研究の最前線

総論

感覚器とフレイル Sensory organs and flails 稲富勉 ¹ Tsutomu INATOMI ¹ ¹国立長寿医療研究センター感覚器センター長キーワード：感覚器 , 五感 , フレイル , アイフレイル , 認知症 Keyword: 感覚器 , 五感 , フレイル , アイフレイル , 認知症 pp.586-592

発行日 2022年8月6日 Published Date 2022/8/6

DOI https://doi.org/10.32118/ayu28206586

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　人間の感覚は五感に代表される視覚，聴覚，嗅覚，味覚，平衡感覚など，さまざまな感覚情報を感受する．これらの感覚器機能は人間生活や社会活動に重要であり，疾患や加齢による低下は高齢者の生活の質（QOL）を低下させ，フレイルや認知症の進行にも影響する．感覚器機能の加齢性低下の原因は感覚器受容体の機能低下，中枢への伝達機構や高次中枢機能の変性などさまざまな因子が関与する．感覚器機能低下は食生活の量や質の低下からサルコペニアを進行させ，転倒などの障害はフレイルの危険因子となり，難聴によるコミュニケーション能力の低下は認知症の進行因子となる．超高齢社会に向けて健康寿命の延伸や認知症予防のためにも感覚機能の老化メカニズムの解明や包括的な感覚器ケア診療の重要性がますます高まっている．