Japanese
English
講座 感覚系の機能評価
5.嗅覚・味覚の評価
Clinical assessments of olfaction and taste.
池田 稔
1
Minoru Ikeda
1
1日本大学医学部耳鼻咽喉科学教室
1Department of Otolaryngology, Nihon University School of Medicine
キーワード:
嗅覚
,
味覚
,
基準嗅力検査
,
静脈性嗅覚検査
,
電気味覚検査
,
濾紙ディスク法検査
Keyword:
嗅覚
,
味覚
,
基準嗅力検査
,
静脈性嗅覚検査
,
電気味覚検査
,
濾紙ディスク法検査
pp.1029-1034
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109621
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嗅覚の評価
1.嗅覚の解剖と生理
嗅覚は本来,自己および種保存に必須の感覚であり,鼻腔の主機能の一つであるが,ヒトにおいてはその本来の重要性は低下し,嗜好的な意味での重要性が増している.3,000から10,000種のにおいを識別し,生活の質的な充実に欠くことのできない感覚である.
ヒトの嗅粘膜は鼻腔の嗅裂(鼻中隔の上部と上鼻甲介に囲まれた部位)の天蓋部を中心に存在している.嗅粘膜の存在範囲は一側が約1cm2である.その上皮(嗅上皮)は嗅細胞,支持細胞および基底細胞と,Bowman腺細胞から構成されている.ヒトの嗅粘膜には左右合わせて600万個の嗅細胞がある.この嗅細胞は味細胞と同様に新生交代を繰り返すが,その期間はラットでは1~3か月である.
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