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特集 COVID-19と循環器疾患
COVID-19と血栓症
Coagulopathy related to COVID-19
小川 史洋
1
Fumihiro OGAWA
1
1横浜市立大学医学部救急医学教室
キーワード:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
血栓症
,
凝固障害
,
抗凝固療法
Keyword:
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
,
血栓症
,
凝固障害
,
抗凝固療法
pp.847-851
発行日 2021年11月27日
Published Date 2021/11/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27909847
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックは,その驚異的な感染力と罹患者数の急増から全世界で問題になっている.最近の報告では,最重症患者は凝固障害を呈し,播種性血管内凝固症候群(DIC)や静脈血栓塞栓症(VTE)に代表される血管内血栓形成が高頻繁に確認されている.そのため,凝固機能はCOVID-19の重症化を識別するのに役立つと考えられている.COVID-19関連凝固障害の臨床症状は主に臓器機能障害であるが,出血性イベントはほとんど報告されていない.D-ダイマーおよびフィブリン/フィブリノーゲン分解産物(FDP)の増加は,凝固障害の本質が大量のフィブリン形成であることを表している.しかし,COVID-19凝固障害のメカニズムはいまだ完全には解明されておらず,炎症性サイトカイン,リンパ球細胞死,低酸素症,および血管内皮損傷によって組織化された調節不全の免疫応答が関与していると推測されている.その凝固障害に対する治療についてもいまだ確立されたものがなく,さらなる検討が必要である.
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