Japanese
English
第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
小児肺高血圧症診療の進歩と課題
Recent progresses and problems to be solved in pediatric pulmonary hypertension
福島 裕之
1
Hiroyuki FUKUSHIMA
1
1東京歯科大学市川総合病院小児科,慶應義塾大学医学部小児科
キーワード:
疾患啓発
,
早期診断
,
個別化医療
,
レジストリ研究
,
小児適応
Keyword:
疾患啓発
,
早期診断
,
個別化医療
,
レジストリ研究
,
小児適応
pp.441-448
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205441
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
小児肺高血圧症診療の進歩は著しく,特に多系統の治療薬が使用できるようになったことに伴い,小児肺高血圧症は不治の病ではなく,治療できる疾患となった.治療薬の開発を契機とした疾患の啓発活動も広く行われるようになり,わが国の優れた制度である学校心臓検診の活用と相まって,小児肺高血圧症の早期発見の取り組みも進んでいる.さらに,小児肺高血圧症を成因によっていくつかのサブグループに分け,あるいは遺伝的な情報を加味することにより,個々の患者の特性に合わせて綿密な治療計画をたてる個別化医療の試みがなされている.加えて,患者会などを通じた患者と医療者との協同作業も日常的なものとなり,行政や地域を含むサポート体制が実現されつつある.一方で,さらなる診療の進歩に寄与するわが国独自のデータの集積,小児における治療薬の効果や安全性の確認,定型的ではない肺高血圧症例への対応など,解決すべきいくつかの課題も存在する.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.