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第2章 循環器
[肺高血圧症]肺高血圧症の遺伝学的病態知見
平出 貴裕
1
,
片岡 雅晴
2
1慶應義塾大学 医学部循環器内科
2産業医科大学 医学部第2内科学
キーワード:
肺動脈性肺高血圧症
,
BMPR2
,
RNF213
,
SOX17
,
個別化医療
Keyword:
肺動脈性肺高血圧症
,
BMPR2
,
RNF213
,
SOX17
,
個別化医療
pp.414-418
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_414
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Summary
・肺高血圧症のなかでも,肺動脈性肺高血圧症(PAH)は生命予後不良の指定難病であり,発症原因の特定および根治療法の開発が望まれる.
・PAHの発症関連遺伝子はいくつか報告されているが,約7割の症例ではいまだに発症関連遺伝子が同定されていない.また欧米と日本では遺伝学的背景が異なるため,日本(あるいは東アジア)での検証が重要と考えた.
・われわれは,日本人PAH患者において,従来の肺血管拡張薬への反応性が乏しく,予後不良と関連する遺伝子変化を複数報告し,疾患発症メカニズムを解明するため,動物を用いた基礎実験を遂行している.
・臨床現場で得た未解決な問題を基礎研究で解明する,reverse translational researchの実践が,難病における個別化医療実現に向けて重要であると確信している.
© Nankodo Co., Ltd., 2024