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第5土曜特集 小児医療の最先端
臨床編
造血細胞移植後の日和見感染症に対する複数ウイルス特異的T細胞療法
Multi-virus specific T cell therapy for opportunistic infections after hematopoietic cell transplantation
神谷 尚宏
1
,
森尾 友宏
2
Takahiro KAMIYA
1
,
Tomohiro MORIO
2
1東京医科歯科大学臨床試験管理センター
2同大学院発生発達病態学分野
キーワード:
造血細胞移植(HCT)
,
日和見感染
,
ウイルス特異的T細胞(VSTs)
Keyword:
造血細胞移植(HCT)
,
日和見感染
,
ウイルス特異的T細胞(VSTs)
pp.435-440
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205435
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造血細胞移植(HCT)後にはさまざまな日和見ウイルス感染症に罹患する.有効な抗ウイルス薬の開発も進むなか,治療法が限られるウイルス感染症も多い.薬剤の長期投与,副作用,経済的影響も問題になる.HCT後では,免疫学的再構築がなされるまで,さまざまなウイルス感染症のリスクがあることも課題である.これを解決する手段として,複数ウイルス特異的T細胞(MVSTs)が開発された.MVSTsは抗原提示細胞,抗原,細胞増幅のためのサイトカインで用意され,多くはストックを作製し,HLAが合致したものを投与する.ドナーとしては移植ドナーが最適であるが,細胞調製時間,細胞調製可能性などから,近年では第三者由来MVSTsが,即時投与可能なoff-the-shelf細胞治療として用いられるようになってきた.海外では,有効性や安全性に関する論文が増え,また臨床研究も行われているが,日本では2013年から厚生労働省や日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けた研究開発が行われている.HLAの特性などに鑑み,日本における臨床研究は必須である.
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