特集 ここが変わった!循環器診療 最新スタンダード
Ⅰ.疾患各論
肺高血圧症
平出 貴裕
1
,
片岡 雅晴
2
1慶應義塾大学医学部循環器内科
2産業医科大学医学部第二内科学
キーワード:
肺高血圧症
,
sotatercept
,
BMPR2
,
RNF213
,
個別化医療
Keyword:
肺高血圧症
,
sotatercept
,
BMPR2
,
RNF213
,
個別化医療
pp.55-60
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200663
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ここが変わった!
●過去のスタンダード
・肺高血圧症の定義は「安静時の平均肺動脈圧が25 mmHg以上」である.
・肺高血圧症は稀少疾患であり,日常診療で診断する機会は稀である.
・肺高血圧症に対する治療は,肺血管拡張薬による対症療法のみである.
●現在のスタンダード
・2022年に発表された欧州のガイドラインでは,肺高血圧症の診断基準が「安静時の平均肺動脈圧が20 mmHgを超える」に変更され,運動誘発性の診断基準も追加された(本邦のガイドラインは2022年現在まだ変更されていない).
・左心系疾患や呼吸器疾患などを合併した高齢者の肺高血圧症が多く診断されている.
・疾患の進行を抑制する薬剤の有効性が第三相試験で示された.
・遺伝学的背景に応じた治療法の選択が求められている.
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