Japanese
English
第5土曜特集 小児医療の最先端
基礎・基盤編
わが国の先天異常発生動向
Trends in the incidence of congenital anomalies in Japan
倉澤 健太郎
1
Kentaro KURASAWA
1
1公立大学法人横浜市立大学大学院医学研究科生殖成育病態医学講座
キーワード:
先天異常
,
クリアリングハウス国際モニタリングセンター
,
日本産婦人科医会
Keyword:
先天異常
,
クリアリングハウス国際モニタリングセンター
,
日本産婦人科医会
pp.333-338
発行日 2022年7月30日
Published Date 2022/7/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28205333
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
日本における先天異常発生動向調査は,サリドマイド禍を契機に1970年代より行われている.対象は全出生の10%程度ではあるが,日本産婦人科医会に所属する会員の善意の努力によって地道に調査が継続的に続けられている.これまで特定の薬剤や環境変化などによる先天異常についてきわだった発生は認めていないが,経年変化をみてみると,いくつかの特徴を垣間見ることができる.疾病や周産期の期間に対する定義変更,検査技術の発達,医療提供体制・構造の変化など,さまざまなバイアスが想定される点に留意する必要があるが,防ぎうる先天異常については情報発信などを通じて啓発に努めたい.本来,先天異常モニタリングは出生に関する基礎的な統計であり,国の根幹に関わるきわめて重要な業務である.今後も,時代の変化にも対応するように努力を重ねながら,途切れることなく調査を継続する必要があると考えている.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.