Japanese
English
第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
腸内細菌と慢性炎症
Intestinal bacteria and chronic inflammation
大谷 直子
1
Naoko OHTANI
1
1大阪公立大学大学院医学研究科分子生体医学講座病態生理学
キーワード:
肝星細胞
,
類洞内皮細胞
,
細胞老化随伴分泌現象(SASP)
,
がん微小環境
Keyword:
肝星細胞
,
類洞内皮細胞
,
細胞老化随伴分泌現象(SASP)
,
がん微小環境
pp.63-68
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820163
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ヒトの腸内には500種類以上,数にして100兆個以上の腸内細菌が存在するといわれており,腸内細菌は宿主が代謝できない物質を代謝したり,宿主の免疫システムと相互作用しながら宿主と共生している.腸内細菌に影響を受ける臓器は,腸管はもちろんのこと,腸管以外の臓器も腸内細菌の代謝物や菌体成分などが全身を循環するため,影響を受けていることがわかってきた.本稿では,主に腸内細菌叢の影響を受けやすい腸肝軸を介した肝臓における慢性炎症とがんにフォーカスし,腸内細菌叢と疾患の関連性について概説する.また,最近トピックスとなっている以下の2点,腸内細菌が産生する特殊な修飾型のリトコール酸の抗炎症性作用や,腸内細菌と免疫チェックポイント阻害薬の相乗効果によるがん治療の可能性についても紹介する.
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