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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
ネットワークの各因子と,その因子を応用or標的とした基礎研究の現在と可能性
【がん免疫ネットワークに影響を与える因子】
腸内細菌とがん免疫微小環境
Gut microbiota and tumor immune microenvironment
細沼 雅弘
1,2,3
,
吉村 清
1,3
Masahiro HOSONUMA
1,2,3
,
Kiyoshi YOSHIMURA
1,3
1昭和大学臨床薬理研究所臨床免疫腫瘍学部門
2同薬理科学研究センター
3同医学部内科学講座腫瘍内科学部門
キーワード:
がん免疫療法
,
腸内細菌叢
,
がん微小環境
Keyword:
がん免疫療法
,
腸内細菌叢
,
がん微小環境
pp.401-407
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105401
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免疫チェックポイント分子の発見は,がん免疫療法という新たながん治療法の確立につながり,その発見者にノーベル賞が贈られたことは記憶に新しい.その翌年の同賞はがん微小環境と虚血の研究に対しての貢献者に贈られた.この免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の奏効およびがん微小環境に,腸内細菌が大きく関与していることが近年明らかになった.最近の腸内細菌の研究の発展は,次世代シークエンサー(NGS)による技術革新の恩恵を受け爆発的に進み,腸内細菌は個人を同定できるほど特異的であり,生涯を通じて穏やかな変化をすることがわかってきた.さらに,種々の疾患との関連についても精力的に解析が進んでいる.そこで本稿では腸内細菌のがん微小環境への影響,ICIの抗腫瘍効果や有害事象を予測するバイオマーカー,さらに便移植法(FMT)としての治療応用に関して考察した.
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