Japanese
English
第5土曜特集 細胞外小胞・エクソソームの医療応用の未来
基礎研究および最近の研究トピック
細胞老化と細胞外小胞
Cellular senescence and extracellular vesicles
大川 光
1,2
,
田中 陽子
1
,
高橋 暁子
1
Hikaru OKAWA
1,2
,
Yoko TANAKA
1
,
Akiko TAKAHASHI
1
1がん研究会がん研究所細胞老化研究部
2東北大学医学部医学系研究科がん細胞イメージング分野
キーワード:
細胞老化
,
細胞老化随伴分泌現象(SASP)
,
がん
,
加齢性疾患
Keyword:
細胞老化
,
細胞老化随伴分泌現象(SASP)
,
がん
,
加齢性疾患
pp.655-661
発行日 2024年11月30日
Published Date 2024/11/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu291090655
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
老化細胞はさまざまなストレスにより誘導された不可逆的な増殖停止状態にあり,持続的なDNA損傷応答やエピゲノム異常を示すことに加えて,細胞老化随伴分泌現象(SASP)として炎症性タンパク質やプロテアーゼ,細胞外小胞(EVs)などの分泌が亢進している.老化細胞はSASPを通じてがんを含むさまざまな加齢性疾患の病態に寄与していると考えられており,そのメカニズムの一部はEVsにより担われている.老化細胞は正常細胞と比較して多量のEVsを分泌し,その中にさまざまな核酸,脂質,タンパク質などの生理活性を持つ物質が含まれているため,EVsを取り込む受容細胞に与える影響も多岐にわたっている.特に老化細胞由来のEVsはがんにおいて,細胞増殖の制御,染色体不安定性の誘導などが報告されており,さまざまな役割を担っていることが明らかになりつつある.
Copyright © 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.