Japanese
English
第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
ホスホリパーゼA2と代謝性疾患
Phospholipase A2 enzymes and metabolic diseases
佐藤 弘泰
1
,
村上 誠
1,2
Hiroyasu SATO
1
,
Makoto MURAKAMI
1,2
1東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター健康環境医工学部門
2国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED-CREST)
キーワード:
ホスホリパーゼA2(PLA2)
,
リン脂質代謝
,
脂肪酸
,
肥満
,
糖尿病
,
脂肪肝
Keyword:
ホスホリパーゼA2(PLA2)
,
リン脂質代謝
,
脂肪酸
,
肥満
,
糖尿病
,
脂肪肝
pp.55-62
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820155
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脂質代謝の破綻は,慢性炎症を伴うさまざまな疾患と密接に関連している.脂質代謝酵素の一群であるホスホリパーゼA2(PLA2)は,リン脂質を加水分解して不飽和脂肪酸とリゾリン脂質を生成する酵素群の総称であるが,広義にはリン脂質以外の脂質を代謝する酵素も含まれる.哺乳動物では50種類以上の分子種が存在し,構造上の特徴から細胞外に放出される分泌性PLA2(sPLA2群),細胞内に存在するCa2+依存性細胞内PLA2(cPLA2群),Ca2+非依存性細胞内PLA2(iPLA2群)の三大ファミリーに大別されるが,他にも新しいタイプのPLA2が多数見つかっている.近年,いくつかのPLA2分子種の遺伝子改変マウスやヒト遺伝子変異,脂質を網羅的に分析するリピドミクス解析技術の進展により,PLA2分子群の新機能が明らかになりつつある.本稿では,肥満,糖尿病を中心とする代謝性疾患に関わるPLA2分子群の役割について概説する.
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