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特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
神経系に作用するもの
軸索・興奮性膜作用薬
ホスホリパーゼC
Phospholipase C
池沢 宏郎
1
Hiroh Ikezawa
1
1名古屋市立大学薬学部微生物薬品学教室
pp.429-431
発行日 1984年12月15日
Published Date 1984/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904626
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ホスホリパーゼC(phospholipases C)は,生体膜を構成しているグリセロリン脂質やスフィンゴミエリンを加水分解する酵素の中で,リン脂質の疎水性部分と親水性部分(polar head)の間のリン酸ジエステル結合を切断する一群の酵素の総称である。これらの酵素は,基質特異性の点から,ホスファチジルコリン分解型,スフィンゴミエリン分解型,ホスファチジルイノシトール分解型の3種に分類することができる。通常ホスホリパーゼCと呼んでいるのは,ホスファチジルコリン分解型の酵素であり,この酵素で細菌由来のものが神経軸索や興奮性膜に作用する毒素として知られている。本酵素は,ホスファチジルコリンやホスファチジルセリンなどのホスファチドを,次のように加水分解する1,2)。
本酵素の代表的な基質はホスファチジルコリンであるが,Clostridium perfringens(Cl.welchii)の酵素のように,スフィンゴミエリンを次のごとく加水分解できるものもある2,3)。
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