増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液生化学検査
酵素および関連物質
膵関連
膵ホスホリパーゼA2
伊佐地 秀司
1
1三重大学医学部第1外科
pp.119-121
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909775
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
検査の目的・意義
ホスホリパーゼA2(PLA2)は,リン脂質の2位の脂肪酸エステル結合を加水分解する酵素で,生体組織に広く分布する.現在までいくつかのアイソフォームの存在が明らかにされており,これらはI型(従来の膵性)およびII型からなる低分子量分泌型(secretory PLA2)と高分子量細胞質内在型(cytosolic PLA2)に分類されている(表1)1).
膵PLA2は膵腺房細胞で,非活性型の前酵素(zymogen),すなわちpro PLA2として合成され,膵液中に分泌されて十二指腸内の活性型トリプシンによって活性化されて,リン脂質の分解酵素として働く.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.