増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液生化学検査
酵素および関連物質
膵ホスホリパーゼA2
小川 道雄
1
1熊本大学医学部第2外科
pp.319
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906364
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
膵ホスホリパーゼA2(PLA2)は膵臓で合成され,膵液中に分泌されて消化酵素として作用する.しかし近年,膵PLA2には増殖因子としての強い活性があることが明らかにされた.すでにそのレセプターもクローニングされている.
膵液中の他の酵素と同様に,膵PLA2の一部は血中に移行している.血中には由来の異なるPLA2が存在するため,膵PLA2を酵素活性で分別定量することは困難であったが,血中膵PLA2の測定系が確立され,特異的に膵PLA2のみを測定できるようになった.血中膵PLA2は膵酵素のうちでも膵臓に特異性の高い膵マーカーである.
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