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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
酵素活性に影響する薬物
ホスホリパーゼC
Phosphoinostide-specific phospholipase C
中西 理
1
,
竹縄 忠臣
2
Osamu Nakanishi
1
,
Tadaomi Takenawa
2
1三井製薬工業㈱生物科学研究所
2(財)東京都老人総合研究所生体情報研究部
pp.480-482
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900264
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「概説」
1988年イノシトールリン脂質特異的ホスホリパーゼC(以下略してPLC)のcDNAクローニング成功以来,PLCについての理解は,急速に深まり,アイソザイムの構造と機能分担,さらには新たな活性制御機構の存在などが次々と明らかになってきた1)。
表1にPLCアイソザイムの分類と,共役の判明している受容体をまとめた。未だ受容体との関連がはっきりとしていないアイソザイムの多いなかで,特筆に値するのはPLC-γタイプであろう。このタイプだけが構造中にSH(src homology)-2領域を有し,チロシンキナーゼによりリン酸化を受け活性化することが明らかとなっている。現在SH-2領域はリン酸化チロシンを認識する構造であることが判明している。そしてチロシンキナーゼ活性を有する増殖因子受容体は,リガンドとの結合で自己リン酸化を行うことにより,SH-2領域を持つ蛋白たちを集め,細胞内情報のやりとりをしているという,新たな情報伝達のメカニズムが明らかになりつつある2)。
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