連載 COVID-19診療の最前線から――現場の医師による報告・Vol.19
ウイルス感染後疲労症候群および筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の基礎と臨床
-――COVID-19との関連
山村 隆
1
Takashi YAMAMURA
1
1国立精神・神経医療研究センター神経研究所免疫研究部
pp.850-853
発行日 2022年5月21日
Published Date 2022/5/21
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28108850
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POINT
⃝COVID-19感染後に極度の疲労症状,ブレインフォグ,睡眠障害などが持続することが問題になっている.このような症候群はLong-COVIDとして注目されているが,ウイルス感染に関連して発症する “筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)” と多くの類似点がある.
⃝実際,ME/CFSでは抗β2-adrenergic receptor抗体などの自律神経受容体抗体が検出され,B細胞レパトアの偏倚も確認されているが,Long-COVIDでも同様の変化が報告されている.COVID-19感染が惹起する自己免疫応答,自己免疫応答による神経系障害の機序にねらいを定めた研究を進める必要がある.
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