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第5土曜特集 腫瘍免疫――免疫ネットワークから考える基礎と臨床
免疫チェックポイント阻害薬の成功から続く展望
【新規がん免疫治療薬の開発】
人工知能(AI)を用いたがんの不均一性,多様性への挑戦
Tackling the heterogeneity and diversity of cancer using artificial intelligence
川上 英良
1
Eiryo KAWAKAMI
1
1理化学研究所・情報統合本部・先端データサイエンスプロジェクト,千葉大学大学院医学研究院・人工知能(AI)医学
キーワード:
人工知能(AI)
,
機械学習
,
データ駆動型アプローチ
,
不均一性
,
多様性
Keyword:
人工知能(AI)
,
機械学習
,
データ駆動型アプローチ
,
不均一性
,
多様性
pp.566-571
発行日 2022年4月30日
Published Date 2022/4/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28105566
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2010年以降の第三次人工知能(AI)ブームにおいて現実世界の複雑さ,多様性に対応できるようになったAIは,さまざまな分野において人間の専門家をも上回る精度を達成している.がん研究においても,膨大な画像を学習させることで専門医を上回る精度で診断や予後予測ができるようになってきている.画像や免疫学的パラメータに基づく治療選択にAIが活用されているのに加えて,ハイコスト,ハイリスクな創薬においてAIを用いた開発の効率化とコスト削減が模索されている.がんの多様性,不均一性を理解し,個人ごとに最適な治療をデザインするうえでAIは必須のツールになりつつあるといえる.一方,深層学習をはじめとするAIは非常に構造が複雑で,判断の根拠が人間に理解できなくなることも多い.AIアルゴリズムの説明性を高めながら,持続的に検証とアップデートを行う仕組みを構築することが,精密医療の実現に向けてがん研究を大きく発展させる重要な基盤となるであろう.
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