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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
総論:マルチオミクス解析の基盤と技術
機械学習を用いたオミクスデータ統合解析
Integrated analysis of omics data using machine learning
杉本 光
1,2,3
,
川上 英良
1,2,3
Hikaru SUGIMOTO
1,2,3
,
Eiryo KAWAKAMI
1,2,3
1理化学研究所生命医科学研究センター医療データ数理推論特別チーム
2千葉大学大学院医学研究院
3同国際高等研究基幹
キーワード:
機械学習
,
オミクスデータ
,
統合
Keyword:
機械学習
,
オミクスデータ
,
統合
pp.761-768
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090761
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近年,ゲノム,トランスクリプトーム,プロテオーム,メタボロームなど多様なオミクスデータが急速に蓄積されており,疾患の発症・進行メカニズムや薬剤応答を包括的に理解するには,これらを統合的に解析する必要がある.統合解析では,データの異質性やスケールの違い,欠損値,高次元性,計算負荷,再現性といった多くの課題が存在する.これらに対応するため,統計解析に加えて,機械学習,深層学習,自己教師あり学習,転移学習,基盤モデル,時系列解析,さらに先行知見の統合など,さまざまなアプローチが開発されている.近年では,クラウドやエッジAI,連合学習を用いた分散処理環境の活用,AutoMLやパイプライン化による解析自動化も進展している.がんや神経疾患,代謝疾患などへの応用事例も増えており,今後は解析手法の標準化や透明性・解釈性の向上,国際的なデータ共有基盤の整備がいっそう求められる.

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