Japanese
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第1土曜特集 喘息の発症メカニズムと治療・管理
病態
2型自然リンパ球
Innate lymphoid type 2 cell(ILC2)
福永 興壱
1
Koichi FUKUNAGA
1
1慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)
キーワード:
自然リンパ球(ILC)
,
難治性喘息
,
ステロイド抵抗性
,
自然免疫
,
生物学的製剤
Keyword:
自然リンパ球(ILC)
,
難治性喘息
,
ステロイド抵抗性
,
自然免疫
,
生物学的製剤
pp.37-41
発行日 2022年4月2日
Published Date 2022/4/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2810137
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吸入ステロイドを中心とした抗喘息薬の普及により,多くの喘息コントロールは良好となった.しかし,臨床において治療反応性が得られない難治性喘息が今もなお少なからず存在する.2型自然リンパ球(ILC2)の発見はこういった難治性喘息を含め喘息病態に新たな理解をもたらした.それまで喘息病態は獲得免疫による反応として捉えられていたが,アレルゲン感作が明らかでない非アトピー型喘息や,ウイルス感染などの非特異的な刺激によって発作が誘導される自然免疫を介した病態に,このILC2が深く関与することが明らかとなった.さらに,難治性喘息の主たる原因のひとつであるステロイド抵抗性にも深く関わることが,マウスそしてヒトの研究結果から明らかになった.その後もILC2に関する研究は精力的に進められ,さまざまな活性化あるいは抑制因子の発見,特定の環境下における可塑性,さらには喘息以外にも多くの病態に関与することなど多くの報告がなされており,今後も基礎研究から実臨床につながる十分な可能性を秘めた研究領域のひとつである.
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