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第1土曜特集 喘息の発症メカニズムと治療・管理
病態
喘息における獲得免疫系の役割
Roles of acquired immunity in asthma
中島 裕史
1
Hiroshi NAKAJIMA
1
1千葉大学大学院医学研究院アレルギー・臨床免疫学
キーワード:
Th2細胞
,
濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)
,
B細胞
,
IgE
Keyword:
Th2細胞
,
濾胞ヘルパーT細胞(Tfh細胞)
,
B細胞
,
IgE
pp.31-35
発行日 2022年4月2日
Published Date 2022/4/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2810131
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気管支喘息(以下,喘息)の約半数を占めるアレルギー性喘息では,アレルゲンの気道曝露により,CD4陽性T細胞の活性化および好酸球性気道炎症が惹起される.CD4陽性T細胞はアレルゲンを特異的に認識し,免疫応答の始動および,そのアレルゲン特異性を担保することにより,アレルギー性喘息の病態形成に中心的な役割を果たしている.さらに近年の研究により,アレルゲン特異的Th2細胞による免疫応答は,樹状細胞や2型自然リンパ球(ILC2)をはじめとする自然免疫細胞との複雑な相互作用により誘導・制御されていることが明らかになった.Th2サイトカインが喘息において重要な役割を果たしていることは,抗IL-4/IL-13受容体抗体,抗IL-5抗体,抗IL-5受容体抗体が重症喘息に有効性を示すことによりヒトにおいても証明された.上皮細胞由来サイトカインと獲得免疫応答との関連も明らかになりつつあり,その一部は治療標的として有望視されている.
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