Japanese
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特集 オールジャパンで挑む先端医療機器の研究開発
力覚提示機能を有する新たな国産外科手術ロボットの開発
Development of a new surgical robot with force feedback made in Japan
只野 耕太郎
1,2
,
菅野 貴皓
2
,
川嶋 健嗣
2,3
Kotaro TADANO
1,2
,
Takahiro KANNO
2
,
Kenji KAWASHIMA
2,3
1東京工業大学未来産業技術研究所
2リバーフィールド株式会社
3東京大学大学院情報理工学系研究科
キーワード:
手術ロボット
,
力覚提示
,
空気圧駆動
Keyword:
手術ロボット
,
力覚提示
,
空気圧駆動
pp.215-218
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28003215
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低侵襲な外科手術を支援するロボットは,現状その操作を視覚に頼っている.力覚の有効性はさまざまな研究で指摘されているが,滅菌,洗浄や電気メスとの併用を考えると実用化にハードルがある.本稿では,国立大学発ベンチャーから2022年の薬事申請を目指して開発を進めている手術支援ロボットを紹介する.ロボット鉗子の駆動ワイヤを空気圧シリンダで引っ張ることで,外力が作用した際に空気圧シリンダの圧力と変位の変化から,鉗子グリッパの把持力を推定する機能を実装している.把持力は反力として操作者にフィードバックされるとともに,メータで視覚的に認識することができる.開発中のロボットは,呼吸器外科など体腔内の比較的浅い部分の手術に適するように設計されている.動物実験において,奇静脈や肺動脈の剝離時に把持力提示がある場合には,視覚のみと比較して把持力が半分程度に抑えられ,肺葉切除術が安全に実施できることを確認している.
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