外科治療支援技術開発における医工連携

Collaboration between medicine and engineering in the development of surgical treatment support technologies

　手術は複雑で術者に依存するため，技術支援が必要である．近年では手術支援ロボットやスマート治療室（SCOT）による低侵襲手術が進み，安全かつ精度の高い手術が求められている．しかし，医療機器の多くは輸入品であり，国内の研究開発の難しさが課題となっている．医療機器開発には技術力だけでなく，医学的知識や法規制，医療経済の側面も考慮される必要があるため，筆者らは医工連携を推進し，医療機器開発人材育成プログラムを進めている．さらに，医療機器レギュラトリーサイエンスの研究も行われており，迅速な人材交流および成果が得られている．本稿では，このような医工連携教育の取り組みやSCOTの研究基盤，将来展望について詳述する．