FOCUS
低侵襲外科手術を支援するロボットの開発と今後の動向
川嶋 健嗣
1
Kenji KAWASHIMA
1
1東京医科歯科大学生体材料工学研究所
pp.227-230
発行日 2019年2月20日
Published Date 2019/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212382
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
近年,手術支援ロボットが医療分野で広く用いられ,大きな変革をもたらしている.ロボットが手術に用いられた例は,1985年産業用ロボットPUMA560を脳の生体組織検査に使用したことに始まる1).90年代からロボットの手術分野への適用をめざした研究開発が盛んとなり,1991年にはIBMが開発したRobodocと呼ばれるシステムで人工股関節全置換術が行われた2).さらに,現在最も有名な手術支援ロボットの一つであるマスタ・スレーブ型の手術支援ロボットda Vinci(Intuitive Surgical社)もこの頃から開発が進められた.
本稿では,低侵襲外科手術(MIS)において,da Vinciに代表される手術支援ロボットの普及が最も進んでいる腹腔鏡外科手術を中心としたロボットの研究開発動向を概観する.
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.