Japanese
English
第1土曜特集 小児・AYAがんの最前線
T細胞性急性リンパ性白血病における新規治療の展望
-――ダサチニブ高感受性T細胞性急性リンパ性白血病の病態解析を通じて
Perspectives of novel treatment strategies for T-cell acute lymphoblastic leukemia, especially through the pathologic analysis of dasatinib-sensitivity
牛腸 義宏
1
Yoshihiro GOCHO
1
1国立成育医療研究センター小児がんセンター
キーワード:
T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)
,
T細胞分化
,
LCK
,
ダサチニブ
,
プレシジョン医療
Keyword:
T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)
,
T細胞分化
,
LCK
,
ダサチニブ
,
プレシジョン医療
pp.21-26
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2800121
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
T細胞性急性リンパ性白血病(T-ALL)は,再発時に非常に予後不良であり,新規治療の導入が望まれる.T-ALLの遺伝子異常の全容が明らかとなり,複雑かつ多様な病態が理解された.T-ALLの個別の病態に対応したプレシジョン医療が再発T-ALLの治療成績向上の鍵となる.T-ALLに認める多様なシグナル経路の異常を標的とする多数の分子標的薬の開発,臨床試験が進行している.T細胞の極早期分化段階の特徴を有するETP(early T-cell precursor)-ALLにはJAK阻害薬やBCL2阻害薬が有効である可能性が高い.プレT細胞受容体(pre-TCR)シグナル活性に依存するDN3分化段階の特徴を有するT-ALLに対してダサチニブによるLCK阻害が抗白血病作用を発揮する.ダサチニブやBCL2阻害薬ベネトクラクスのT-ALLへの適応拡大が注目される.T-ALLに対する細胞免疫治療にも期待が高まっている.
Copyright © 2022 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.