Japanese
English
原著
皮膚B細胞性リンパ腫—症例報告および本邦症例の検討
A Case of Cutaneous B Cell Lymphoma with Analysis on Japanese Cases
中川 八重
1
,
竹松 英明
1
,
高井 良尋
2
Yae NAKAGAWA
1
,
Hideaki TAKEMATSU
1
,
Yoshihiro TAKAI
2
1東北大学医学部皮膚科学教室
2東北大学医学部放射線科学教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Radiology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
皮膚悪性リンパ腫
,
B細胞性
,
成人
,
びまん性中細胞型
,
皮膚原発性
Keyword:
皮膚悪性リンパ腫
,
B細胞性
,
成人
,
びまん性中細胞型
,
皮膚原発性
pp.1051-1055
発行日 1990年10月1日
Published Date 1990/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900200
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症例は,83歳,男性.初診約半年前に,右側胸部の結節に気づいた.右側胸部の腫瘤は,6×7cm,半球状に隆起しており,右腋窩には,7×7cmの腫瘤を触れた.組織学的には,真皮から皮下組織にかけて,核分裂像の多い,多数の中型のリンパ球の浸潤を認め,LSG分類によるびまん性中細胞型の皮膚B細胞性リンパ腫に相当した.総線量50.4Gyの放射線治療で腫瘤は触知できなくなった.最近8年間の本邦の,LSG分類で報告された成人皮膚B細胞性リンパ腫28例のうち,びまん性大細胞型が全体の約2/3を占めた.初診または治療開始1年後の生存率は,生死不明例を含めても75%であった.すなわち節性リンパ腫や胃,甲状腺,ワルダィエル輪,および眼を原発巣とする節外B細胞性リンパ腫の治療開始1年後の生存率が85%であるのに比べて,皮膚B細胞性リンパ腫の予後は悪い傾向を示した.
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