Japanese
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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
総論
自然免疫アジュバントを用いた新規粘膜ワクチン開発
Mucosal vaccines using curdlan and CpG oligodeoxynucleotide
藤本 康介
1
,
植松 智
1
Kosuke FUJIMOTO
1
,
Satoshi UEMATSU
1
1大阪市立大学大学院医学研究科ゲノム免疫学,東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターメタゲノム医学分野
キーワード:
自然免疫
,
樹状細胞
,
免疫グロブリンA(IgA)
,
粘膜ワクチン
Keyword:
自然免疫
,
樹状細胞
,
免疫グロブリンA(IgA)
,
粘膜ワクチン
pp.928-932
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27910928
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消化管をはじめとした粘膜面はさまざまな微生物にたえず曝されるため,外敵から身を守るためのユニークかつ効果的な粘膜免疫機構が存在する.その代表的なものとして,粘膜面には免疫グロブリンA(IgA)が多量に存在していることがあげられる.IgAの主な作用は,粘膜面に侵入してくる病原微生物の上皮細胞への付着・定着・侵入の阻止,病原微生物の産生する毒素や酵素に対する中和効果,粘液層での病原微生物の捕捉,抗菌作用などがあり,IgAは粘膜免疫防御機構を担う重要なプレーヤーである.したがって,病原微生物の標的となる粘膜面に高力価の病原微生物特異的なIgAを誘導することができれば,非常に効率のよい粘膜防御が可能となる.本稿では,標的となる粘膜面に高力価の抗原特異的IgAを誘導する作用をもつ自然免疫アジュバントを組み合わせた新規粘膜ワクチンについて,筆者らの最新の知見を含めて概説する.
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