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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
各論
【Viral vector】
組換え多価ワクチンベクターとしての水痘生ワクチンの可能性
Potential of live varicella vaccine as a recombinant polyvalent vaccine vector
有井 潤
1
,
森 康子
1
Jun ARII
1
,
Yasuko MORI
1
1神戸大学大学院医学研究科附属感染症センター臨床ウイルス学分野
キーワード:
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)
,
ヘルペスウイルス
,
組換えウイルス
,
ウイルスベクター
,
多価ワクチン
Keyword:
水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)
,
ヘルペスウイルス
,
組換えウイルス
,
ウイルスベクター
,
多価ワクチン
pp.1021-1025
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279101021
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弱毒生ワクチンは,不活化ワクチンと比較して防御効果が高く,その効果が長期間維持されると一般的に考えられてきた.一方で,弱毒生ワクチンの開発には長い時間が必要である.このため,ワクチンが存在しない感染症や新興感染症に迅速に対応する目的で,組換えウイルスを用いて多価生ワクチンを開発する構想は古くからあった.水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は,水痘と帯状疱疹の原因ウイルスである.わが国で開発された水痘生ワクチンvOka株は安全で防御効果が高く,全世界で利用されている.筆者らは,大腸菌内でvOka株ゲノムを改変するシステムを開発し,多価水痘生ワクチンの構築を試みてきた.本稿では,多価ワクチンのベースとしての水痘生ワクチンの重要性と将来性について概説する.
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