発行日 2008年9月1日
Published Date 2008/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008366097
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64歳女。全身の疼痛を主訴とした。アメリカリウマチ学会(ACR)の線維筋痛症の分類基準で1の広範囲の疼痛と、2の18ヶ所全ヶ所に圧痛を認め、ACRの関節リウマチ(RA)の分類基準で手指X線所見およびリウマトイド結節以外の5項目を満たしており、RAと診断した。ブシラミン、プレドニゾロン、トリアゾラムを投与し、更にワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液16単位を投与した。その後、両肩関節痛、腰痛は軽度あるものの、全身の疼痛は改善し、トリアゾラムを中止し、プレドニゾロンを減量していった。しかし、右肩の痛みと両手関節痛が出現し、血液検査でリウマトイド因子が増加しており、プレドニゾロン、ブシラミンを増量し症状は軽快した。現在、ブシラミンのみ投与して経過観察中であるが、線維筋痛症およびRAの症状は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008