特集 新型コロナ最前線 ワクチンと治療―今を知り,これからを考える
◉新型コロナワクチン接種の最前線
②ウイルスベクターワクチンの接種
-―効果・副反応の最新知見と国内使用の考え方
宮下 修行
1
,
尾形 誠
2
,
福田 直樹
3
,
矢村 明久
3
1関西医科大学 内科学第一講座 呼吸器感染症・アレルギー科 教授
2関西医科大学 内科学第一講座 呼吸器感染症・アレルギー科 講師
3関西医科大学 内科学第一講座 呼吸器感染症・アレルギー科 助教
キーワード:
ウイルスベクターワクチン
,
有効性
,
変異株
,
有害事象
,
血栓
Keyword:
ウイルスベクターワクチン
,
有効性
,
変異株
,
有害事象
,
血栓
pp.227-232
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000235
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ウイルスベクターワクチンとは,ヒトに対して病原性のない,または弱毒性のウイルスベクター(運び手)に抗原たんぱく質の遺伝子を組み込んだ,組み換えウイルスを接種する。我が国では2021年5月にアストラゼネカ社のワクチン(バキスゼブリア筋注)が薬事承認された。臨床試験での有効率は70.4%とメッセンジャーRNAワクチンよりは劣るものの,重症化抑制効果は高いとされている。本ワクチンは,海外で接種後に血小板減少を伴う血栓症を発症したケースが報告されていることもあり,政府は公的接種での使用を見合わせていたが,8月から原則として40歳以上の人を対象に公的接種で使用できるようになった。
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