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第1土曜特集 ワクチン設計のサイエンス
各論
【Viral vector】
ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスを用いた結核ワクチンの開発
Development of a tuberculosis vaccine using Human parainfluenza type 2 virus
内海 大知
1
,
保富 康宏
1,2
Daichi UTSUMI
1
,
Yasuhiro YASUTOMI
1,2
1国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所霊長類医科学研究センター
2同センター長
キーワード:
結核
,
パラインフルエンザ2型ウイルス(PIV2)
,
Ag85B
,
ワクチン
Keyword:
結核
,
パラインフルエンザ2型ウイルス(PIV2)
,
Ag85B
,
ワクチン
pp.1035-1040
発行日 2021年12月4日
Published Date 2021/12/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu279101035
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現在でも世界の人口における3割が結核菌に感染していると報告されており,先進国のなかでも日本は中等度の発症国となっている.しかし,唯一の結核ワクチンであるBCGの誕生から100年たった現在でも実用化された新規結核ワクチンはなく,結核を撲滅するための新たな結核ワクチンの開発が望まれている.ウイルスベクターとして呼吸器粘膜を標的とするヒトパラインフルエンザ2型ウイルス(HPIV2)を用いたHPIV2ワクチンは,リバースジェネティクス法により発現させたい抗原を組み込んだ安全性の高いリコンビナントHPIV2(rHPIV2)を簡単に作製できる.結核抗原を発現するrHPIV2の経鼻接種は,肺局所に抗原特異的な免疫応答を誘導し,結核菌感染マウスの臓器内菌数を大幅に減少させた.本稿では,この新たな結核ワクチンとして期待ができる粘膜免疫誘導型のrHPIV2ワクチンについて紹介する.
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