連載 ユニークな実験動物を用いた医学研究・Vol.9
カニクイザル
-――ヒト橋渡し研究の大本命
武藤 真長
1
,
依馬 正次
1
Masanaga MUTO
1
,
Masatsugu EMA
1
1滋賀医科大学動物生命科学研究センター
キーワード:
非ヒト霊長類
,
疾患モデル
,
ゲノム編集
,
トランスジェニック
Keyword:
非ヒト霊長類
,
疾患モデル
,
ゲノム編集
,
トランスジェニック
pp.895-900
発行日 2021年11月27日
Published Date 2021/11/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27909895
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Summary
カニクイザルを含む旧世界ザルに分類されるマカク属の非ヒト霊長類は,ヒトに最も近縁な実験動物としてさまざまな研究に用いられてきた.とくに周年繁殖という様式をとるカニクイザルはヒトとの類似性や進化学的分類などの観点から,生殖生物学や発生生物学などの分野で頻用され,めざましい成果があげられている.また,これまで医学・生物学の発展に大きく貢献してきたのが遺伝子改変マウスであるが,カニクイザルにおける遺伝子改変技術が進んできたことで,マウスでは再現が難しかったアルツハイマー病,パーキンソン病などの病態を再現する新たな疾患モデル動物としての期待が高まっている.本稿では,近年の非ヒト霊長類モデルの研究の流れと,筆者らが取り組んできたカニクイザルにおける遺伝子改変技術の開発と疾患モデルの解析について紹介したい.
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