増大特集 革新脳と関連プロジェクトから見えてきた新しい脳科学
Ⅰ.霊長類脳科学
a)遺伝子改変技術および関連技術を用いたマーモセットの脳科学・疾患研究
トリプレットリピート病モデルマーモセット
富岡 郁夫
1
,
永井 義隆
2
,
関 和彦
3
Tomioka Ikuo
1
,
Nagai Yoshitaka
2
,
Seki Kazuhiko
3
1信州大学大学院総合理工学研究科生命工学分野
2近畿大学医学部脳神経内科
3国立精神・神経医療研究センターモデル動物開発研究部
キーワード:
ポリグルタミン病
,
脊髄小脳変性症3型
,
マーモセット
,
トランスジェニック
,
モデル動物
Keyword:
ポリグルタミン病
,
脊髄小脳変性症3型
,
マーモセット
,
トランスジェニック
,
モデル動物
pp.388-389
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201547
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
高次脳機能障害を呈する晩発性の神経変性疾患において,脳構造や代謝生理がヒトに類似した霊長類の疾患モデルの開発は,疾患克服への特急券となり得る。筆者らは小型の霊長類であるマーモセットを用いて,ポリグルタミン病モデルを作出することに成功した。このモデルマーモセットは生後3-4か月で神経症状を呈したのち,時間依存的な疾患進行が認められ,生後13か月齢でグリオーシスを伴う顕著なプルキンエ細胞の減少などの小脳病理が認められた。本稿では,ポリグルタミン病モデルマーモセットの作出とその成果を概説する。
Copyright © 2022, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.