連載 COVID-19診療の最前線から――現場の医師による報告・Vol.3
SARS-CoV-2のウイルス学的特徴と変異
増田 道明
1
Michiaki MASUDA
1
1獨協医科大学医学部微生物学講座
pp.901-906
発行日 2021年11月27日
Published Date 2021/11/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27909901
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POINT
⃝SARS-CoV-2はCOVID-19の原因として2020年に発見されたコロナウイルスであり,コウモリから直接あるいは間接的にヒトへと人獣共通感染を引き起こしたと考えられている.
⃝他のコロナウイルスと同様,SARS-CoV-2のRNAゲノム(約3万塩基)はN,S,MおよびEといった構造タンパクをコードし,そのうちS(スパイク)タンパクは受容体となるACE2に結合する.
⃝SARS-CoV-2はRNAゲノム複製の校正機能を有するものの,約2塩基/月の頻度で変異を生じるとされており,コウモリコロナウイルスからヒトコロナウイルスへの進化途上にあると考えられる.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.