Japanese
English
第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
医学応用と今後の展望
月・火星探査に向けた閉鎖空間に長期に滞在する宇宙飛行士のストレスマネジメント
Stress management for astronauts staying in isolated, confined, and extreme environment for long expeditions to the Moon and Mars
道喜 将太郎
1
,
松崎 一葉
1
Shotaro DOKI
1
,
Ichiyo MATSUZAKI
1
1筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ
キーワード:
宇宙飛行士
,
閉鎖環境
,
長期滞在
,
ストレスマネジメント
Keyword:
宇宙飛行士
,
閉鎖環境
,
長期滞在
,
ストレスマネジメント
pp.641-646
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906641
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
近年の宇宙飛行士の大半のミッションは,国際宇宙ステーション(ISS)での活動であったが,近い将来,アメリカのアルテミス計画の月面探査や,その後の火星探査が計画されている.月や火星探査では,宇宙飛行士は宇宙に長期滞在することが前提となり,これまでのISSでのミッションよりも強いストレスを受けると予想される.これまでのミッションや地上での閉鎖環境試験での知見から,長期に閉鎖環境に置かれると対人関係や睡眠の問題,逸脱した行動,ヒューマンエラーが起こりやすいことがわかっている.宇宙飛行士が適切にストレスに対処するためには,①ストレス耐性の高いクルーを選抜し,②ミッション前トレーニング,③ミッション中のサポートが必要である.今後は宇宙での長期滞在を前提としたストレスマネジメントの方策が必要とされる.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.