コンタクトレンズ(18)
火星人の図は空想ではない
長谷川 泉
pp.56
発行日 1960年10月10日
Published Date 1960/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202196
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頭だけが大きく,タコのような細い多くの手足を持つた人間—これは,まさしく火星人の空想図である.人間の生み出したファンタジーであるが,人間の将来と全く無縁のものであろうか?—どうも,私には,そう思えない.
将来は,人間の身体に革命がくる.それは進化論を信ずる限り,そうならざるを得ない.そして,その背景となる条件は,自然科学の飛躍的な進歩である.20世紀の当初においては,20世紀の後半が宇宙世紀になるようなことは,現実の問題として考えられなかつた.だが,このことは現実の問題として,我々の眼前にあらわれようとしている.そのようなスピードで自然科学の進歩が具体化されて行つたら,火星人の図を全く笑うべき幻想と斥けてしまえないのではないか.
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