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第1土曜特集 宇宙生命科学の進歩と医学応用への展望
医学応用と今後の展望
リキッドバイオプシー解析を介したモデル生物研究成果のヒトへの投射
Projecting results from model organisms studies to human through liquid biopsy analysis
村谷 匡史
1
Masafumi MURATANI
1
1筑波大学医学医療系ゲノム生物学研究室,同トランスボーダー医学研究センター
キーワード:
細胞外小胞(EV)
,
エクソソーム
,
細胞外DNA・RNA
,
ヒトゲノム解析
Keyword:
細胞外小胞(EV)
,
エクソソーム
,
細胞外DNA・RNA
,
ヒトゲノム解析
pp.647-652
発行日 2021年11月6日
Published Date 2021/11/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27906647
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安全で快適な宇宙滞在を可能にする宇宙環境への対処法を確立するうえで,人体に起こる変化の理解は欠かせない.しかし,身体深部組織での分子レベルの宇宙環境応答を評価することは,サンプリングに際しての侵襲性の高さや対象となる宇宙飛行士の数,長期的影響などの要因で,さまざまな難しさがある.血漿中の細胞外DNA・RNA(cell-free DNA・RNA)は,エクソソームなどの細胞外小胞(EV)やさまざまな分子との複合体として体内の細胞から放出され,比較的低侵襲な採血によってサンプリングできるため,“リキッドバイオプシー(液体生検)” の解析対象として有用である.またリキッドバイオプシー解析は,マウスをはじめとしたモデル生物で得られた情報をヒトでも検証するための,分子レベルの比較を行える限られたアプローチでもある.本稿では,まだ数少ない宇宙飛行士を対象としたゲノミクス研究を通して筆者が経験した事柄とともにリキッドバイオプシー解析の概要を紹介し,宇宙の臨床研究の課題と,モデル生物とヒトで得られたデータの統合解析について議論する.
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