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特集 医療スタッフが知っておきたい性的マイノリティと医療
地域における多施設連携から協働への進展
How to build a collaborative team in a region
織田 裕行
1
Hiroyuki ODA
1
1関西医科大学精神神経科学講座,NPO法人関西GICネットワーク
キーワード:
性別違和(GD)
,
連携
,
協働
,
地域
,
性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
Keyword:
性別違和(GD)
,
連携
,
協働
,
地域
,
性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
pp.273-277
発行日 2021年10月23日
Published Date 2021/10/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27904273
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日本精神神経学会の「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」では,性別違和(GD)に対する治療は精神科領域の治療と身体的治療に大別されている.身体的治療には,ホルモン療法と手術療法が含まれる.医療チームを結成してこれらの治療を包括的に取り組むためには,精神科に加え泌尿器科,産婦人科,形成外科との多科連携が必要となる.また心理関係の専門家,ソーシャルワーカーなどの参加が望ましいとされ,性別適合手術の適応判定には法曹関係者などのメンバーを加えるとされている.ひとつの医療施設でこれらすべての要件を満たすことが困難な場合,複数の医療施設が連携し医療チームを構成することもできる.筆者は大阪という地域において,多施設連携による医療チームに携わる機会を得た.多施設協働へと構造を進展させ,診療以外の協働活動も実践している.将来的には包括的治療が普遍的な医療となり,身近な医療施設で安心・安全に受けられるような環境整備が強く望まれる.
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