Japanese
English
特集 ジェンダーをめぐる諸課題を理解する
精神科における性同一性障害/性別違和の診断とかかわり
Diagnosis and Support of Gender Identity Disorder/Gender Dysphoria in Psychiatry
織田 裕行
1,2
,
松岩 七虹
1
,
山田 妃沙子
2
Hiroyuki Oda
1,2
,
Nanako Matsuiwa
1
,
Hisako Yamada
2
1きじまこころクリニック
2関西医科大学
1Kijima Cocoro Clinic, Osaka, Japan
2Kansai Medical University
キーワード:
性同一性障害
,
gender identity disorder
,
性別違和
,
gender dysphoria
,
ジェンダー外来
,
gender identity clinic
,
脱精神病理化
,
depathology
,
性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
,
the Guidelines for Diagnosis and Treatment for Gender Identity Disorder
Keyword:
性同一性障害
,
gender identity disorder
,
性別違和
,
gender dysphoria
,
ジェンダー外来
,
gender identity clinic
,
脱精神病理化
,
depathology
,
性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン
,
the Guidelines for Diagnosis and Treatment for Gender Identity Disorder
pp.1127-1133
発行日 2022年8月15日
Published Date 2022/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206720
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抄録 1998年に埼玉医科大学総合医療センターで性別適合手術が行われてから四半世紀が経とうとしている。筆者は1999年に性別違和の医療に携わる機会を得た。これまでの間に,この領域の医療を取り巻く環境にさまざまな変化があった。「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」の改訂,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律の施行,GID学会認定医制度の創設と手術療法の保険適用などである。
本稿では,これらの変化をふまえながら精神科医の果たす役割について,診断と鑑別,かかわり,ガイドラインに沿った構造の設計,期待されていること,について述べた。
少しずつではあるがこの領域の医療に携わる医師が増え,医療チームが誕生している。しかし,ジェンダー外来を受診するために遠くの医療施設まで通院することを余儀なくされている状況は今も解消されたとは言い難い。今後は新たに携わる方々に向けたコースや,より専門的なコースを設定するなど,研修会の質と開催回数の両面において改善が期待されている。
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